【書評】ExcelVBA 超入門書から学ぶ!初心者向け技術記事の書き方

図解! Excel VBAのツボとコツがゼッタイにわかる本 “超"入門編」の著者は、数々のExcelVBA関連書籍を執筆してきた、立山 秀利さん。この方の書籍からExcelVBAへの入門を果たした方も多いことでしょう。かく言う私もその1人で、立山さんの代表的著書ともいえる「ExcelVBAのプログラミングのツボとコツがゼッタイにわかる本」から入門を果たしました。

また立山さんは、数多くの初心者向けセミナーも行われており、初心者向けVBAのエキスパートとも言える方です。本書の内容については、冒頭で以下のように記述されています。

本書はそれら著者の長年の経験をもとに、初心者は何がどうわからないのか、どうやったら理解できるのかをより突き詰めた結晶を書籍化しました。プログラム自体が全くの未経験の方が挫折することなく短期間で、Excel VBAの基礎の基礎を身につけられる一冊です。

つまり本書は、ExcelVBAの超入門書でありながら、すでに入門している方にとっては、VBA初心者向けの記事を執筆したり、初心者に指導する際に役立つエッセンスを学ぶことのできる書籍だといえるでしょう。そこで今回は、入門者・初心者向けの記事を書くことの多い(書きたいと思っている)私が、初心者向けの本書を読み、私が読み取った初心者向けの記事を書く際に必要となる”コツ”を紹介したいと思います。

 

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①図解が多い

本書籍のタイトルにもある通り、図解が非常に多めです。著者も、冒頭に以下のように書かれています。

たとえば、ザッと見ていただければ一目瞭然ですが、ほぼ2~3ページごとに図解や操作画面が入っているなど、先述の拙著2冊よりも入門のハードルをさらに下げた構成となっています。

たしかに、見開き2ページのうち、左側がテキストで、右側がそれを図解したもの、というレイアウトのページが非常に多いです。たとえば、セルのオブジェクトをRangeで指定することを解説したページでは、左側1ページにその説明をテキストで行い、右側1ページで命令文について・書式・その例を図解しています。

また、場合によっては、テキスト1ページ分の説明が複数ページに渡って図解されている場合もあります。本書籍では、請求書を自動作成するマクロを作成していきますが、その過程で、それを手作業で行うとどんな操作になる?という部分があります。それは、テキストで1ページで説明されている内容を、複数のスクリーンショットを用いながら5ページに渡って説明されています。まさに至れり尽くせり。テキストを読まずとも、図解を追っていくだけで理解できそうな気がします。

こういった技術書の類は、やはり文字だけの情報では分かりづらいもの。図解を多めにするというのは、初心者に限ったことではなくわかりやすさを向上させます。

記事を書いていると、どうしても図解には手が伸びにくくなります。なにせ、テキストの説明に加えて図解もしなければならないのですから。ブログ・エディタテから離れて、何らかのアプリケーションで図解を作成しなければならないのです。なので、キストだけで説明できればそれで済ませたい。そんな気持ちがでてしまいます。しかし、それをグッとこらえて、時間をかけてでも図解してみるのが必要だと感じました。

 

②何かを作り上げながら学ぶ

本書籍では、請求書を自動作成するマクロを作成しながら、VBAの基本的な知識を解説しています。冒頭にも、以下のように記されています。

学習の流れも、1つのサンプルを1冊かけて順に作り上げていくなかで、随時プログラムを書いて動かします。そのため、飽きることなくサクサク読み進められ、初心者でも無理なく理解できるでしょう。

たしかに、ワークシートの操作はこうします、こうすると値が入ります、ループ処理はこうします、といった知識だけを記述されても、初心者は飽きてしまうことでしょう。それよりは、少しずつでも、何かを作りながら、作成したものが自分の眼の前にある、自分がこれを1から作ったといった達成感があった方が、飽きずに続けやすいと思います。

加えて、何かを作りながら学ぶ方式だと、得た知識が、実際にマクロを組む際にどのように役立つのかが見えやすくなります。知識だけを記述するような書籍・記事の場合だと、そういった点が見にくくなってしまいます。ワークシートの操作法を勉強しても、どういった時にワークシートを操作するのか、それによってどんなことができるのかが、知識だけだと分かりづらい。その点、実際にマクロを組みながら学ぶ方式だとそれらがわかりやすくなります。

サンプルを作りながら学ぶ、というのは、記事を書く側にとっては少し労力が必要です。まずサンプルを作成しなければならないし、何か処理を記述する際にあれは説明したていたっけ?状態になりがち。でも学ぶ側にとってはメリットが多そうです。少し頑張って取り組んで見ることにします。

 

③幹の部分だけ教える

プログラミングにおいて重要となる”幹”の部分だけを教えるのも、初心者にとっては重要でしょう。本書の冒頭にも以下のように記されています。

また、あらかじめお断りしておきたいのですが、本書は超入門書であり、初心者向けに学習範囲を思い切って絞っています。Excel VBAのプログラミングの基礎の基礎―樹木でたとえると”幹”―だけに特化しています。読者のみなさんはまず、本書で”幹”をしっかりと身に付けてください。”幹”がおろそかだと、その後の学習で挫折してしまいます。

耳がいたいですね。私は、初心者向け記事であっても、細かいTips、初心者にとったらいわゆる枝葉末節の部分を説明しがちです。そして、意外とそういう部分の説明は楽しいものです。

しかし、初心者にとっては、そんな部分はまだ必要ありません。むしろ邪魔。ノイズです。ちゃんとした幹の部分の理解も不十分なのに葉の部分の説明までされたら要点がぶれてしまいます。

そういった葉の部分にに関する情報は、プログラミングを自分で組んでいきながら学べたりします。また、幹の部分の理解さえできていれば、Web記事や他の書籍を読んでも習得できます。なので、やはり初心者向けの場合は、幹の部分だけしっかりと説明し、その他の部分は思い切って省く。こういった考え方が必要ですね。

 

まとめ

今回は、初心者向け記事の解説などを行う際のコツなどを超入門書を読み解きながら紹介しました。なお、今回紹介した書籍は、超入門書にももちろんオススメできるものです。続編も発売予定のようですので、今のうちにしっかりと読んでマスターしておきましょう。

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