子どもの食事と親の食事は似ていないかも?|主に米国の結果が含まれるメタ分析の結果から

食品・栄養素
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みなさん,こんにちは.
シンノユウキ(shinno1993)です.

「子どもの食事と親の食事は似ている」ということはよく指摘されることです。なにせ,親の作った料理を子どもは食べるのですから,似ていて当たり前と考えるのも当然でしょう。

子どもの食事と親の食事との関連を調べることで,子どもの食事パターンに及ぼす影響を知ることができ,それにより子どもの食事改善へのきっかけを見つけることができます。

今回は,子どもの食事と親の食事とを比較し,レビュー・メタ分析した研究を紹介します:

研究の結果をざっくりとまとめると以下のようになります:

  • 全体的に,子どもと親との食事の関連は弱かった
  • 具体的にエネルギー摂取量の相関係数は0.17,脂肪エネルギー比率は0.19だった
やや詳しい具体的な方法

1980年以降に公開された,子どもと親に関する食品・栄養との関連を調べた研究を収集しました。最終的に24の研究が含まれました。研究は,サンプルサイズや食事評価法の信頼性(FFQの食品リストの多さ,24時間思い出し法の日数など)などによってスコア化され,メタ分析に利用されました。分析に含める項目として,エネルギー(全体的な食事を反映しているため)と脂肪・脂肪エネルギー比率(食事の質を反映しているため)が利用されました。

今回の研究結果をみると,全体的に,子どもと親との食事の関連は弱い傾向にありました。具体的にみると,エネルギー摂取量の相関係数は0.17±0.14,脂肪は0.20±0.19,脂肪エネルギー比率は0.19±0.15でした。これらの傾向は,たとえば子どもと父親,子どもと母親のようにペアを変更しても同様でした。

今回の結果は,多くの方が感じているであろう「子どもと親との食事は似ている」ということを裏付ける根拠にはなりませんでした。

なぜこのような結果になったのでしょうか。
エネルギーの相関係数よりも,脂肪や脂肪エネルギー比率の方が相関係数が高かったのは,たとえば食事内容が類似していても,親が意図的なカロリーコントロールを行っていたからかもしれません。また,今回収集した研究にはアメリカでの研究が約半数を占めていました。アメリカでは一般的に家庭から離れて食事をすることが多く,かつスナック菓子などを食べる機会が多くあります。そのために,関連が弱くなった可能性があります。

今回の結果を,そのまま日本人に適応するのは困難だと考えて良いでしょう。以下に示すように,注意点も多いです。しかし,子どもと親の食事は類似しているという確固たる信念がある方は,頭の片隅においておいた方が良い事実かもしれません。

注意
  • 子どもの年齢が若い方(10歳未満)が食事の類似性が高い傾向にありましたが,これはメタ分析では考慮されていません
  • エネルギーや脂肪以外の栄養素等摂取量および食品群については検討できていません
  • 今回収集した研究の多くは対象者数が多くありませんでした
  • 食事評価法(FFQか24時間思い出し法か)によって結果にやや差がありました

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