コーヒーと健康との関連に決着をつけたい(JPHC研究の結果から)

食品・栄養素
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みなさん,こんにちは.
シンノユウキ(shinno1993)です.

私はコーヒーをよく飲みます。朝,自宅でドリップコーヒーをカップ2~3杯ほど飲み,会社ではキリンの600mlペットボトルコーヒーをがぶ飲みし,たまに昼休みにセブンイレブンのホットコーヒーのラージサイズを飲んだりします。コーヒーカップ(150ml)に換算すると,5杯はゆうに超える量です。私にとってのカフェインは,必須の栄養素なのではないかとも思えてきます。

そんな私が気になるのは,コーヒーと健康との関係。コーヒーが好きだとはいえ,健康に悪いということが明らかなのであれば,少し控えようという気にならなくもない。ということで,日本人に対して,コーヒーの摂取量と死亡率との関連を調査した研究を紹介します:

研究の結果をざっくりとまとめると以下のようになります:

  • コーヒーを1日にカップ3~4杯飲む人は,ほとんど飲まない人と比べて,総死亡によるリスクが24%低かった
  • 疾患別に見ると,心疾患や脳血管疾患,呼吸器疾患では同様の結果が得られた
  • ただし,5杯以上飲む場合はやや関連が弱まった
やや詳しい具体的な方法

本研究は保健所ベースの日本のコホート研究の一貫として行われました。40~69歳の男女を約20年間追跡し,コーヒー摂取と各疾患による死亡率とを比較しました。コーヒーの摂取頻度はアンケートにより収集され,ほとんど飲まない,1日1杯未満,毎日1~2杯,毎日3~4杯,毎日5杯以上飲むという5つのグループに分類されました。死亡のハザード比は,性別や年齢,喫煙歴やBMIなど健康に関連する要因によって調整されました。ハザード比は,全原因による死亡率と,日本人の主要な死亡原因5つ(ガン,心疾患,脳血管疾患,呼吸器疾患,外因)で算出されました。

全死亡によるリスクについては,コーヒーをほとんど飲まなない人を1とした場合のハザード比として求められました。その結果,毎日1~2杯飲む人のリスクは0.85(0.81~0.90),毎日3~4杯飲む人では0.76 (0.70~0.83),毎日5杯以上飲む人だと0.85(0.75~0.98) となっていました。わかりやすくいうと, たとえば毎日3~4杯飲む人では,ほとんど飲まない人よりも約24%も総死亡によるリスクが低いことがわかったのです。

次に,疾患別に見てみます。全死亡の他にガン,心疾患,脳血管疾患,呼吸器疾患,外因による死亡とコーヒー摂取との関連も分析されています。その結果,ガン以外の疾患ではコーヒーを摂取していた人で死亡のリスクが低いことがわかりました。

3~4杯以上だと統計学的にも有意にリスクは低下しましたが,5杯以上になるとやや関連は弱まりました。これは5杯以上飲む人が少ないこと,喫煙者が多く交絡を完全に取り除けなかったことが関係していた可能性があります。なので,5杯以上の摂取が健康に悪影響を及ぼすという意味ではありませんが,それ以上の摂取を推奨するだけの根拠とはできないと解釈すると良いかと思います。

このような結果になったのは,コーヒーに含まれるクロロゲン酸やカフェイン,ピリジニウムが関係した可能性があります。クロロゲン酸はコーヒーに含まれるポリフェノールで,耐糖能の改善や血圧低下作用,抗炎症作用が報告されています。カフェインには肺機能の改善や血管内皮の修復を促進するとされ,ピリジニウムには抗血栓作用があるとされます。これらの成分が,死亡率の低下を助けたと考えられます。

これらの結果を勘案すると,毎日3~4杯のコーヒーを飲むことは健康に良い習慣であると言えそうです。5杯以上でも悪くはなさそうですが,今のところ,5杯以上の摂取を積極的に肯定する理由はありません。私のような,趣味的に多量に飲む人に,それを止めさせる積極的な理由はありませんが,健康のためにと大量の飲んでいるような人には3~4杯でOKと伝えれば良いと思います。

注意
  • コーヒーの摂取は研究の開始時点で測定されました。追跡中にコーヒーを飲む習慣が変化した場合は,それを反映できていません
  • コーヒーの種類については触れていません。インスタントコーヒーでも,ドリップコーヒーでも,砂糖っぷりのコーヒーでもカフェイン抜きのコーヒーでも同様に申告されています。これらの種類によってはコーヒーの健康に良いとされる成分が増減するため,研究結果に影響を与えた可能性があります

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