みなさん,こんにちは。
シンノユウキ(shinno1993)です。
日本においては,コンビニ(コンビニエンスストア)はあちらこちらで見かけることができます。自宅や職場の周りに数件以上のコンビニがあるという方も少なくないでしょう。最近では,コンビニでも野菜や果物などの生鮮食品を扱っていますが,それがどの程度,食事の質に影響を与えているかは明らかではありませんでした。
今回は,日本人の2型糖尿病患者における,コンビニエンスストアの使用頻度と食事の質との関連を調査した研究を紹介します。
研究の結果をざっくりとまとめると以下のようになります:
本研究は,糖尿病患者を対象にしたコホート研究の一環として行われています。2016年1月から2018年5月までの間に外来に訪れた患者さんで調査に協力してくださった方を対象としています。食事はBDHQによって測定され,コンビニエンスストアでの買い物頻度はアンケートによって行われました。また,各種の生化学的検査(HbA1c,血中グルコース濃度,GFRなど)や血圧測定も行われました。なお,本研究の糖尿病には,2型糖尿病のみが含まれます。
先でも示しましたが,コンビニを頻繁に利用する方(週に3回以上)では,そうでない人に比べて果物・野菜,低脂肪牛乳,豆類の摂取量が少ない傾向にありました。具体的に果物・野菜だと,男女ともに60g程度,少なく報告されました。
加えて,高血圧については,「コンビニエンスストアを週に3回以上利用する」ことでリスクが高くなる傾向にありました。この分析では,年齢やBMI,喫煙などの他のリスク要因については調整されています。
先で,コンビニの利用頻度が多い人では果物・野菜,低脂肪牛乳,豆類の摂取量が少なかったことを紹介しましたが,これらは高血圧を予防するための食事法:DASH食では推奨されているものとなります。つまり,それらが少なかったために高血圧のリスクが上がったのでは?と考えられます。
コンビニ → 不健康な食品を購入するといった単純な因果では片付けられないかもしれません。加えて「コンビニで何を買ったか」といったことも検討はされていません。ただし,私の場合は野菜や低脂肪牛乳を購入する時はスーパーに行きます。種類も多いですし,新鮮です。逆にスナック菓子やカップラーメン,ソフトドリンク等を購入する時はコンビニに行くような気がします(今回の研究では菓子では差がありませんでしたが)。
この結果は糖尿病患者さんを対象にしたものであるなど,考慮すべき注意点は多くありますが(後述),なんとなく直感的に理解できるところではあります。食事を選ぶ際は,選択できるのであれば健康的な食品が多そうなスーパーにいってみても良いかもしれません。