「自分の見たいものだけを見る」について

みなさん,こんにちは。
シンノユウキ(shinno1993)です。

私は,「はてなブックマーク」をよく使っています。このサービスでは,インターネット上のニュースや情報について,他人が閲覧できる形でコメント・感想・評論(ブコメ)することができ,それらブコメは,他のユーザーから与えられた★の数でランク付けされたりもします。

★の数が多いブコメ(人気ブコメ)は,私から見て「非常に納得できるもの」や「別の視点からの有益な情報」を与えてくれることが多く,よく参照しています。しかし,人気ブコメの内容は,他のニュースプラットフォーム等で支持を集めているコメントと相反する場合があります。

私が正しいと考えている意見は,別の場所では間違った意見であると扱われることがある。このことが,「自分の見たいものだけを見る」ことについて考えるきっかけとなりました。

スポンサーリンク

「見たいものだけ」に囲まれた世界

SNSやニュースアプリから得られる情報は,自分の興味関心に合うものだけになってしまいがちです。

パーソナライズされた情報が流れるTwitter

たとえば,SNSの代表ともいえるTwitterでは,主に自分がフォローしているアカウントのツイート(リツイート含む)を見ることになります。

加えて,おすすめのツイートや,自身のツイート等に関連性の高いコンテンツが表示されることも。

つまり,Twitterをタイムライン上で利用する場合,Twitter上に流れている情報のすべてではなく,パーソナライズされた情報だけを見ることになります。

ニュースアプリでも同様の傾向

これはTwitterだけに限った話ではありません。ニュースアプリでも同様の傾向です。

たとえば「Googleニュース」では,共通のヘッドラインのニュースの他に,おすすめのニュースも提供しています。

おすすめのニュースでは,自身の興味・関心(Googleが収集したデータに基づく)に合わせたニュースを選択した状態で提供しています。つまり,おすすめのニュースは人よって異なったニュースが配信されています。

適度なパーソナライズと過度なパーソナライズ

もちろん,日々生まれるニュースの中から自分が読みたいニュースを探すのは大変。ですので,“適度”にパーソナライズされた情報は,使い方によっては便利でもあります。

しかし,“過度”にパーソナライズされた状態になってしまった場合,問題となる場合もあります。パーソナライズは,情報のフィルタリングを含みます。しかもそのフィルターは,編み目の大きさや形を柔軟に変化させるというよりは,より堅く・鋭利なフィルターへと強化されていってしまう傾向にあります。

これにより生じるのが,いわゆる「フィルターバブル」です。パーソナライズされた情報に囲まれることで,それ以外からは遮断されてしまう(周りが見えなくなってしまう)状態を指しています。

見たいものだけを見る弊害

私の場合,Twitterのタイムラインは,まさにフィルターバブルの状態でした。かなり偏ったタイムラインになっていると思います。残念ながら,今でも完全に解消はされていません。

見たい情報 ≠ 正しい情報

当然のことのように思えるかもしれませんが,見たい情報だけを見るのは好ましくありません。見たい情報が必ずしも正しいとは限らない,というのがその最大の理由です。

情報を収集する目的には様々あるかと思いますが,だれも誤った情報を収集したいとは思わないでしょう。正しい情報を得て,それらを活用したい(もしくは蓄積したい)と思っているはずです。

しかし,見たい情報だけを得ていると,その情報が間違っていることにも気づきづらくなります。その情報が間違っているとする情報についても,目に入りづらくなることも理由の1つです。

知らず知らずのうちに偏っていく

また,誤っているとまでは言わないまでも,“偏ってしまう”ということは,充分に起こりうることだと思います。

たとえば,私は栄養士ですので,当然のことながら「栄養は大事である」という考えを持っています。おそらく,多くの栄養士の方は同じ考えだと思います。そのため,同様に考えている方の意見や,その考えを支持する情報が多く流れてきます。必然的に,逆の情報が流れてくる割合は少なくなっています。

つまり,世の中にあふれている情報の中から,意図的に(もしくは無意識にでも)自分の見たい情報を得ているにも関わらず,それが世間の常識であるかのように考えてしまう危険性もあります。

もちろんその考え方は誤っていますが,そういった考えが強化・増幅され,「栄養だけが大事」,「栄養で全てが解決できる」といった,より極端に偏った世界に足を踏み入れていってしまう可能性だって考えられるわけです。

「毒」になる情報見てしまう弊害

一方でどのような情報であっても,見なきゃいけないというわけではないと思います。世間には見るだけで自分に害を及ぼすような意見や情報もあり,それらは適切にフィルタリングしていくべきであると考えるからです。 

できるだけ見ない方が良い情報の種類

たとえば,極端に攻撃的である・建設的でない・極端に偏っている・間違った情報です。 昨今では,SNSによってこれらの情報が目に入りやすくなったと感じます。

こういった情報は「毒である」と言ってしまってもいいかもしれません。目に入ることで嫌な思いをしたり,特定の思想を先鋭化させてしまったり,誤った知識を蓄積していまったり。これらの情報は,見たり聞いたりするだけで,たとえ無意識であっても,悪い影響を受けてしまう可能性があると思っています。

ですので,上記のような情報や意見は,できるだけ目に入らないように,適切にフィルタリングしていきたいところです。

「間違った情報」の扱い

とはいえ,上記の中では「間違った情報」の扱いに注意が必要だと思います。

正しい・正しくないを完璧に判断することが困難な現状,その判断によっては,先に紹介したような「フィルターバブル」の状態に陥ってしまうことが考えられます。自分が正しいと思ったとしても,それが必ずしも正しいとは限らないのです。

とはいえ,(現時点で真に)誤った情報を目にしてしまうことは,極力避けたい。なので,何らかのフィルターは通したいところです。今のところ,これを完全に解決するための魅力的な方法はないと思います。

自分の持っている情報や,それによる判断について謙虚になりながら,判断基準等を常に更新していく姿勢が求められるところでしょう。

「毒」になる情報を排除する方法

「毒」になる情報を排除するためには,①ホワイトリスト方式②ブラックリスト方式の2つをうまく組み合わせるのが効果的でしょう。

①ホワイトリスト方式は,見たい情報だけを選んで見る方式です。Twitterのフォローや,特定のメディアを選択して見に行く方式が該当します。この場合,上記のような「毒」になる情報を発信していない発信源を参照することで,「毒」になる情報を排除することができます。

②ブラックリスト方式は,見たくない情報を言葉やメディア単位で指定し,それらが目につかないようにする方式です。Twitterのミュート(人や言葉単位)や,Googleニュースなどの特定のメディアの記事の非表示機能が該当します。門を広めに開いておくかわりに,どうしても無理な情報だけ排除する方法です。

①と②のどちらか片方だけだと,情報を排除しすぎてしまったり,また排除が不十分になる可能性があります。組み合わせて使っていく方法を模索すべきでしょう。

まとめ:バランス良く情報を摂取する

今回は,「自分の見たいものだけを見る」について紹介しました。

自分の見たいものだけを見ようとすると,「フィルターバブル」に陥ってしまい,真に必要な情報にアクセスできなくなってしまったり, 極端に偏った思想を持ってしまったりといった悪影響が生じる可能性が考えられます。

しかし,情報があふれる現代。ある程度は情報にフィルターをかけないと,自分の持ち時間の中では処理しきれない大量の情報や,場合によっては「毒」になってしまう情報が目に入ってしまうことになります。

それは避けるため,ホワイトリスト方式やブラックリスト方式といった情報のフィルタリング方法を用いながら,バランスよく摂取していくことが肝要であると考えます。また,それに加え,自分の持っている情報や,それらによる判断が必ずしも正しくないという,謙虚な姿勢を保つことも重要といえるでしょう。

タイトルとURLをコピーしました