ゲノム編集食品の安全性と意義について知るために【書評】

みなさん,こんにちは。
シンノユウキ(shinno1993)です。

2020年12月11日,国内初のゲノム編集食品について,販売の届け出が認められました(参考)。認められた食品はトマトです。といってもただのトマトではなく,ゲノム編集によって,血圧を下げる働きがあるとされる「GABA」が豊富に含まれるようになったトマトです。

ゲノム編集」について,それほど詳しく知らないという方も多いかもしれません。「遺伝子組み換え」と同一視してしまっている方も,中にはいるのではないでしょうか。ゲノム編集という技術について理解しておかないと,安全性や意義についても理解が及ばず,適切な活用に結びつかないケースが生じかねません。

科学ジャーナリストである松永和紀氏が執筆された『ゲノム編集食品が変える食の未来』では,ゲノム編集食品とはどのようなものなのか?についてのわかりやすい解説に加え,ゲノム編集食品を生産する意義や,安全性についての情報が詳しく紹介されています。

本書は,特に「ゲノム編集食品」について(漠然とでも)ネガティブな感情を持っている方にオススメしたい書籍です。ネガティブな感情は,ゲノム編集という技術や,それをとりまく環境についての知識が不足していることが原因で発生しているかもしれません。であれば,それらについて知ることで,ネガティブな感情の一部でも解消できる可能性があります。

また本書は,栄養士や管理栄養士といった食の専門家にもオススメです。消費者とコミュニケーションを行う際,ゲノム編集食品についての話題も出てくるかもしれません。その時に「詳しく知らない」という状態は避けたいですね。

ゲノム編集食品が食卓に並ぶ日は,そう遠くないと思われます。多種多様なゲノム編集食品も生まれていくでしょう。それらを適切に受け入れていくためにも(場合によっては疑義を唱える場合でも),ゲノム編集食品についての理解を進めなければなりません。本書は その一助となってくれるはずです。

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