【デジタル・ダイエット】スマートフォンとの適切な距離を保つ5つの方法

みなさん,こんにちは。
シンノユウキ(shinno1993)です。

大学生のころ,講義を受けている私の手元には常にスマートフォンがありました。当時,『パズル&ドラゴンズ』というスマホゲームに激ハマりしておりまして(β版から遊んでいました),自宅はもちろん,講義中でもゲーム内の「スタミナ」が回復した段階でプレイを始めるという有様でした。当時にスマートフォンが存在しなければ。もう少し勉強していたかなぁと,思ったり思わなかったり…。

さて,大学を卒業し,今はソーシャルゲームを断った私ですが,根本的な状況はそれほど変わっていません。スマートフォンや,それに付随することで凶悪さを増したデジタル・コンテンツには頭を悩まされ続けています。勉強・仕事・対人関係。あらゆる側面でスマートフォンは姿を覗かせてきます。

今回は,デジタル・ダイエットと称しまして(デジタルを活用した食事療法の話ではありません),スマートフォンとの適切な距離を保つためにはどうすれば良いのかについて,考えていきたいと思います。

本記事は私の所属しているコミュニティ:ノンプログラマーのためのスキルアップ研究会 の『ノンプロ研 Advent Calendar 2020』8日目の記事です。ノンプロ研には,学習や仕事(本業・副業),そしてコミュニケーションに大変精力的な方が多いなと感じます。そういった方々の一助(ヒント)にでもなればと思い,このテーマを選択しました。

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スマートフォンは「存在するだけ」で影響を及ぼす

2017年にJournal for the Association of Consumer Research. に掲載された研究:“Brain Drain: The Mere Presence of One’s Own Smartphone Reduces Available Cognitive Capacity.”では興味深い結論を提出しています。

この研究では,スマートフォンを「①机の上に置く」,「②カバンの中にしまう」,「③別の部屋に置く」の3パターンで,認知能力テストの結果を比較しています。

これらはいずれもスマートフォンの操作を伴いません。それぞれの場所に置く/しまっているだけ。にも関わらず,テストの結果には差がでました。

スマートフォンを「③別の部屋に置く」を割り当てられた参加者のテストの結果は,「①机の上に置く」に割り当てられた参加者よりも大幅に良く,さらに「②カバンの中にしまう」の参加者をわずかに上回っていました。

このことは,スマートフォンを使用する・しないに関わらず,スマートフォンが目の前にあるだけで集中が必要な作業の習熟度が低下する可能性があることを示唆しています。スマートフォンを操作していなかったとしても,目の届く範囲にあれば影響を受ける。いかに私たちがスマートフォンに頼って生活しているのか,そしてそれに気を散らされているのかを実感できる結果となっています。

スマホ依存」というと,主に未成年の問題という見方もあるかもしれませんが,ビジネスパーソンであっても無関係ではありません。スマートフォンとの適切な距離の取り方を見つけていきましょう。

スマートフォンとの適切な距離を保つ5つの方法

スマートフォンを私たちの日常から追放するのは不可能です。となれば,少なくとも適切な距離を保ち,邪魔にならないようにする必要があります。

カル・ニューポート著『デジタル・ミニマリスト 本当に大切なことに集中する』では,デジタル・ツールの利用を”根本的”に変更するための知識や手法が紹介されています。フォーマルな内容についてはそちらを参照していただくとして,ここではもっとカジュアルかつ軽い感じの「コツ(ヒント)」のようなものを紹介できればと思います。

今回紹介するのは全て私がやった/やっているものです。月並みですが,参考になる点があれば嬉しいです:

①目に見える範囲にスマートフォンを置かない

目に見える範囲にスマートフォンを置かない。すごく簡単なことですが,今回紹介する中では最も効果があるんじゃないかなと思います。

できれば別の部屋に持っていくことが望ましいと思います。存在を意識できないほどにです。通知がある・ないの問題ではありません。たとえ通知を切ったとしても,自分の机の上とかに置いておくのはダメです。

先の研究では,カバンの中に入れておくことも有効でした。他の部屋に持っていくのが難しいならカバンの中に入れておくと良いでしょう。その場合でも,カバンは目の届かない範囲に置くのが良いかもしれません。

私は,仕事中はサイレントモードでカバンの中(奥の方)に入れています。本当は別の部屋に持っていきたいのですが,緊急の連絡は受ける必要もあり,後述するスマートウォッチとの通信が可能な距離(9メートル以内らしいです)を保つため,近くに置いています。

スマートフォンとの物理的な距離はもちろんですが,存在を意識できない簡単に取り出せないといったところもポイントになると思います。

②スマートウォッチを活用する

スマートウォッチは,スマートフォンとの距離を保つのに有用です(スマートフォンと紐付いてこそいますが)。

目に見えない範囲にスマートフォンを置き,かつヴァイブレーションも届かない場合,必要な通知も受け取りづらいのが困るところです。緊急の電話や,急ぎ対応しなければならないメッセージ等は通知される必要があります。またスマートフォンの通知をサイレントにしている場合,通知が来ているかスマートフォンをチラ見して確認する必要が生じます。できればチラ見も避けたいところです。スマートウォッチを使用することで,これらの問題を解決できます。

私はFitbitを使用していますが,Apple製品が好きなユーザは Apple Watchでも問題ないでしょう。これらは,スマートフォンに何らかの通知が届くと振動で知らせてくれます。スマートフォンのヴァイブレーションより周りに迷惑になりづらく,非常に気に入っています。

受けとる通知は任意に設定できるので(電話は通知されるけどメールはされない等),多くなりすぎる心配もありません。逆にほとんど全ての通知を受け取って,スマートフォンをチラ見する必要がないように,といったこともできます(それはそれで大変ですけど)。このあたりは好みやスマートフォンへの依存度も関係してくるかと思います。

余談ですが,私の Fitbit は心拍数が測定できなくなりました(ただの故障です)。危うく「時間がわかるだけ」の時計に成り下がるところでしたが,通知を受け取れる機能のおかげで,ギリギリ要件を満たしています。もし通知も受け取れなくなったら即買い替えですね。

③Wi-Fiとモバイルデータ通信をオフにする

どうしてもスマートフォンを意識してしまう・チラ見してしまう。そんな時は,Wi-Fiとモバイルデータ通信をオフにしてしまいましょう。

私は外出時によくやります。通勤時以外はカバンを持たず,スマートフォンをポケットに入れています。そうなると,意識しないことは不可能です。外出時は暇な時間がありますので,何もなくてもスマートフォンを見たくなります。でもそんなことをしてもストレートネックが痛むだけ。オフラインにして,チラ見する動機を減らしましょう。

「外出時にスマートフォンを持っていかなければ良いのでは?」という意見もあるでしょう。ごもっともです。

でもスマートフォンは,デジタル・デバイスとして優秀です。カメラもきれいに写りますし,メモ帳としても便利。音楽が聞ける・電話による緊急の連絡を受けられるなど,よくできた機械です。常にインターネットに繋がる(繋がってしまう)ことを除いては,非常に便利な道具なのです。アプリの多くはオフライン・モードに対応しています。一時的にオフラインにしたところで,できることが極端に制限されるということも少ないはずです。

機内モードも悪くないのですが,電話を受けられなくなったり, Bluetooth がオフになってしまって接触確認アプリ「COCOA」が使えなくなるので,外出時等はやめておきましょう。

④SNSで「投稿専用モード」を作る

TwitterやInstagram等のSNSは,上手く活用できると非常に有用です。私は主にTwitterを使用しており,情報収集やアウトプット,コミュニケーションの場として活用しています。しかし,SNSは私たちを依存させることに長けています。意識的に避けようとしないと有用な面よりも悪い面が上回ることがあります。

私の場合,ツイートしたいなぁと思ってTwitterを開いた際に,タイムラインに気になる内容がたくさん投稿されていて,ツイートしたかっただけなのにダラダラとタイムラインを眺めてしまい,ついつい時間を取られてしまうというのが悩みの1つでした。

そこで,「ツイートの投稿」をしたいと思う時には,タイムラインが目に入らないようにしてみました。

これの実現には様々な方法があると思います。私はTweetDeckを使用しています。Twitterのクライアントアプリで,カラム(列)ごとに表示させる内容(タイムライン,通知,検索結果など)を独自に割り当てることができます。これを使い,TweetDeck ではタイムラインを表示させないように設定しました。これでタイムラインに誘惑されずにツイートだけを行えるようになります。なおスマートフォンでは TweetDeck のアプリ版はありませんが,ブラウザから TweetDeck にアクセスすることで同様に使用可能です。

もちろん,タイムラインを閲覧することは Twitter を活用する理由の1つですので,それを完全にやめようというわけではありません。私も,電車に乗っている時などただただタイムラインを眺めていることもあります。当たり前ですが,これはこれで楽しい時間です。上記で紹介したのは,あくまでもSNSの有用面が悪い面を上回らないようにするための,私の場合のコツということで理解していただければと思います。

⑤Web記事をスマートフォンで見ない

スマートフォンを利用することで,Web記事をどこでも閲覧できるようになりました。しかし,スマートフォンのような小さな画面では,一度に得られる情報が少なく,また関連記事を次々と見ていくような使い方は難しかったりします。

そこで,Web記事はスマートフォンではなくPCで見るようにしました。

私が1日に見るWeb記事は,Googleアラート・Googleニュース・朝日新聞デジタル,それとTwitterから得ています。前者の3つはそもそもPCで見ます。気になる記事があったらタブで開いていき,まとめて閲覧していきます。

ただし Twitter は,電車に乗っている時にスマートフォンから見ることもあります。タイムラインであればスマートフォンでも閲覧しやすいですが,Web記事はちょっと辛いです。なので,Twitterに貼られている興味深い記事は,Pocket を利用して PC と共有することが多いです。Twitter と Pocket のアプリを両方入れておくことで,Twitter から Pocket への保存も簡単です。

【参考】ソーシャルゲームから抜け出す

スマートフォンでソーシャルゲームをプレイしている方。そしてなおかつ,それでの消耗を自覚している方。思い切ってアプリとアカウントを消してしまいましょう。

冒頭でも簡単に紹介しましたが,私はたくさんのソーシャルゲーム(スマートフォンで利用できる)に手を出してきました。『パズル&ドラゴンズ』,『ツムツム』,『モンスターストライク』,『白猫プロジェクト』,『白猫テニス』…。ぱっと思いつくだけでもこれらのゲームをプレイしています。「ちょっとやった」レベルでなく,「かなり」やり込んだレベルと理解していただいていいです。

これらのゲームも,1日1回30分とかプレイするくらいなら良いと思うんですよ(もちろんゲームは1つですが)。でも,これらにハマった人なら分かると思うんですけど,制限なんて無理です。一度ハマりだすと,絶妙に短くも長くもない時間を,1日に何回もつぎ込むことを要求されます。そういった構造のゲームです。細かい時間をつなぎ合わせると,膨大な時間をつぎ込むことになります。

社会人になってもこれらのゲームをプレイしていた私は,なんとなく,これらのゲームに消耗させられていることを自覚するようになりました。また他のことに時間を使いたい(自分の勉強をしたい)と思っても,まとまった時間をとるのが困難になっていました。時間の優先順位で,ソーシャルゲームのプレイよりもその他のやりたいことが勝るようになりました。そしてある日,全てのゲームのアカウントを衝動に任せて消してしまいました。

当たり前ですが,こういうのは消せば終わりです。もう一度インストールして最初からやり直そうなんて気はなくなるはずです。つまり消したもの勝ち。衝動の力を借りて,思い切って消してしまいましょう。

また念の為に補足ですが,これらのゲームを一様にやめることをオススメしているわけではありません。私たちを夢中にさせてくれる面白さはありますし,昨今ではこれらのゲームで生計を立てている人もいます。あくまでも優先順位の話です。

まとめ

今回はデジタル・ダイエットとしてスマートフォンとの適切な距離を保つ5つの方法について紹介しました。

最近はGoogleやAppleでもデジタルウェルビーイングを意識したサービス等を提供し始めました。「デジタル・デトックス」といった言葉も一般に聞くようになりました。

繰り返しになりますが,スマートフォンをはじめとするデジタル・ツールを完全に断つことは無理です。デトックスを意識した「断食」は一時的には状況は改善するかもしれませんが,それよりももっと日常に取り入れられる範囲で改善を繰り返していくべきだと感じます(このあたりは食事のダイエットと似ているかもしれませんね)。

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最後になりましたが,『ノンプロ研 Advent Calendar 2020』という素敵な企画を実現・調整してくださいましたTSUJI KENZO様,ありがとうございました。私は昨年も一昨年も参加しましたので,今年は参加予定なかったのですが,(空いていたため)ついつい参加してしまいました。

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