Excelで栄養計算ソフトを自作しよう!【成分表2020年版対応】

みなさん,こんにちは。
シンノユウキ(shinno1993)です。

今回から8回に分けて,エクセルの基本的な機能だけを使用して栄養計算ソフトを自作していきます

基本的な機能だけを使用するため,マクロなどの高度な知識は不要です。また使用する機能についても,使用する度に丁寧に説明していくので,前提となる知識も特にありません。「Excel自体初心者!」という方でもOKです。

もし手っ取り早く完成形を利用したい!という方は以下の記事から完成形がダウンロードできますので,ぜひご利用ください。

今回は連載の初回ですので,これからどのようなソフトを作成してくいかについて,実際の画面を示しながら説明していきます。

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完成形はこちら!

はじめに,今回の連載記事を読むことで作成できる栄養計算ソフトの完成形を紹介します。

最終的には,以下のようなものができる予定です:

食品成分表に収載されている食品について,その食品番号と重量から栄養価を計算していきます。

たんぱく質や炭水化物はもちろん,食品成分表の本表に掲載されている栄養素のすべてを計算できるようにしていきます。

筆者
筆者

一般的な食事を栄養計算するには十分なものが作成できます!

栄養計算ソフトの基本的な仕様

実際に作成するにあたり,栄養計算ソフトの基本的な仕様について紹介していきます。

食品番号と重量を入力するだけで計算できる

栄養計算ソフトで使用するExcelのシートに,食品番号と重量を入力していくだけで計算できるようにしていきます。

まずは,何も入力されていない状態の初期画面から確認していきましょう:

この画面の状態で,食品番号の列(B列)に食品番号を入力すると, 食品名の列(C列)に食品名が表示されます。:

そして,重量の列(D列)に重量を入力すると,以降の列に栄養素が計算されます:

Excelで作成していく

先ほどより紹介しているように,この栄養計算ソフトはExcelをベースに作成していきます。

それによって,下記のようなメリットが得られます:

  • 使い慣れた操作感で使用できる
  • 二次利用等も自由にできる
筆者
筆者

Excelで栄養計算できるメリットはとっても大きいです!

なぜ栄養計算ソフトを自作するのか?

ではなぜ栄養計算ソフトを自作する必要があるのでしょうか。

たしかに,世の中には非常に多くの栄養計算ソフトが存在しています。デスクトップアプリ・Webアプリ・スマホアプリ,様々な形態で多用な機能をもったソフトがあります。つまり,自分でわざわざ作るよりも,それらを活用した方が,遥かに高機能で手間も少なくて済むのです。

ではなぜ自作するのか。理由を一言でいうなら,学習のためです。

「車輪の再発明」という言葉があります。これは,Wikipediaでは以下のように説明されています:

車輪の再発明(しゃりんのさいはつめい,英: reinventing the wheel)は,車輪を題材にした慣用句であり,世界中で使われている。「広く受け入れられ確立されている技術や解決法を知らずに(または意図的に無視して),同様のものを再び一から作ること」を意味する。

出典)車輪の再発明 - Wikipedia 2017/11/26参照

「車輪の再発明」は,広く使われているものを一から作り直しても意味がない,というどちらかというとネガディブな意味で使われる言葉です。

今回行っていく栄養計算ソフトの自作も,ここで説明した「車輪の再発明」に該当するでしょう。この記事を読んでいる方の中には,「なぜこのような無駄なことをするのか」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。

しかし,これは学習上・または学生の教育上,非常に有益なことだと思っています。
その理由は以下の3つです:

  1. 栄養計算の裏側を知ることができる
  2. ソフトを自分好みに発展させることができる
  3. Excelのスキル向上が期待できる

理由①:栄養計算の裏側を知ることができる

栄養計算ソフトを自作することで,栄養計算の裏側を知ることができます。

通常の栄養計算ソフトでは,食品とその重量を入力することで,簡単に栄養価を算出できてしまいます。

しかし,その仕組についてはブラックボックスとなっており,実際に知ることがありません。今では,食品成分表なんか見なくとも栄養計算できてしまうため,栄養士の方であっても食品成分表を見たことがないという方もいらっしゃるのではないでしょうか。

普段は隠されている栄養計算の仕組みの部分を知ることで,ソフトを使用しているだけでは得られない知識を習得することができます。

理由②:ソフトを自分好みに発展させることができる

また,栄養計算ソフトを自作することで,そのソフトを自分好みに発展させることもできます。通

常の栄養計算ソフトだと,この部分はもっとこうしたいという思いがあっても,機能を変更することができません。

しかし自作する場合は,それも思いのままです。さらに,マクロ(VBA)を利用することで大きく機能を追加することもできます。

理由③:Excelのスキル向上が期待できる

さらに,栄養計算ソフトを自作することで,Excelのスキル向上も期待できます。

Excelは広く使用されている表計算ソフトウェアですが,その多機能さゆえ,使いこなすには一定のスキルが必要です。社会人の方なら問題はないかもしれませんが,学生だとまだまだそういったスキルは不足しているでしょう。

栄養計算ソフトをExcelで自作することで,スキルの向上も期待できます。

まとめ

今回は,栄養計算ソフトを自作するにあたって,下記を紹介しました:

  • どんなソフトにするか
  • なぜ栄養計算ソフトを自作するのか

次回から,実際に食品成分表を使用して,栄養計算ソフトの開発に移っていきます。

次回の記事はこちら:

連載目次

  1. Excelで栄養計算ソフトを自作しよう!【成分表2020年版対応】現在のページ
  2. 栄養計算ソフトのための食品成分表をExcelで作成しよう!【成分表2020年版対応】
  3. VLOOKUP関数で食品成分表から食品名を検索しよう!【成分表2020年版対応】
  4. Excelで食品成分表から食品のエネルギーを算出してみよう!【成分表2020年版対応】
  5. Excelで食品成分表から色々な栄養素の成分値を算出してみよう!【成分表2020年版対応】
  6. SUM関数で算出した栄養素を合計してみよう!【成分表2020年版対応】
  7. SUMIF関数で食事区分ごとに栄養素を合計しよう!【成分表2020年版対応】
  8. 【完成】Excelで栄養計算ソフトを作成してみた!【成分表2020年版対応】
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