「よいスクリーンショットの条件」とは

みなさん,こんにちは。
シンノユウキ(shinno1993)です。

PCの操作手順書やソフトウェアの使用マニュアルを作成する際には,それらの実際の画面を撮影したスクリーンショットが必要になります。文章だけではなくスクリーンショットも同時に掲載することで,より理解しやすい手順書になるからです。というよりも,もはや文章よりもスクリーンショットの方が主であると言っても差し支えないかもしれません。

単にスクリーンショットといっても,よいスクリーンショットと悪いスクリーンショットとがあります。ただ何となく撮影しているという方も多いかもしれませんが,スクリーンショットの質の良し悪しは,手順の質をも左右する重要な要素の一つになり得ます。

今回は,私がスクリーンショットを撮影したり,利用したりしている中で感じた,よいスクリーンショットの条件について書いてみたいと思います。それではいきましょう!

条件①:必要な情報がすべて載っていること

スクリーンショットには,それを掲載する目的を達成するために必要なすべての情報が載っている必要があります。

Excelの操作画面を例に紹介します。Microsoftサポート「範囲または表のデータをフィルター処理する」で掲載されているスクリーンショットを取り上げてみます。

1. 範囲内で任意のセルを選択します。
2. [Data > フィルター] を 選択します。

引用)範囲または表のデータをフィルター処理する- Microsoftサポート

Microsoftのサポートページは,文章も画像も簡潔です。場合によっては動画も提供されることがありますが,上記のページにはありませんでした。ユーザの多くは,上記の情報だけで操作を理解できるのだと推測します。

しかし,残念ながら躓いてしまうユーザもいるであろう,と感じるポイントがあります。それは,画面が狭く,操作対象箇所が分かりづらいことです。たとえば,下記のように若干撮影範囲を広げるのも選択肢の一つです。

また,もっと親切にするのであれば,可能な限り広めの範囲を撮影し,操作対象がどこに配置されているのかまで示すと良いでしょう。上記の画像だけでは, [データ] タブがどのあたりに配置されているのか理解しづらかったりします。[データ] タブをクリックしなければならないことは理解できても,それがどこにあるのか理解できない場合もあるかもしれないのです。なので,可能な限り広めの範囲を撮影し,操作対象がどこに配置されているのかまで示すことができれば,より望ましいスクリーンショットと言えるでしょう。

もちろん,広い範囲を撮影するということは,その分,広い掲載スペースが必要になることも意味しますので,上記のMicrosoftのサポートページのように,妥協が必要な場合もあるかと思います。

条件②:文字や画像が判別・判読できること

スクリーンショットでは,文字や画像が判読できることも必要です。いくら,すべての情報が載っているとはいっても,文字が潰れてしまって判読できない場合は,よいスクリーンショットの条件を満たしているとは言えません。

これは印刷物に掲載する場合のことを考えると理解しやすいでしょう。手順書やマニュアルを印刷して利用する際に,スクリーンショット中の文字や画像がつぶれてしまっていては,操作手順書として役に立ちません。文字や画像が判読できることは,最低限必要な条件とも言えるでしょう。

一方で,Webに画像を掲載する場合はどうでしょうか。Webでは印刷物と異なり,画像の拡大表示が可能です。そのため,最初に表示されている画像が小さく,文字や画像が判読できない場合でも,拡大表示をすることで,判読可能になる場合もあります。であれば,Web等の拡大表示が可能な媒体にスクリーンショットを掲載する場合は可能な限り大きい画像が望ましいと考えたくもなります。

しかし,私の考えとしては,上記は適切とは思えません。画像を拡大表示させる手間を利用者に強いているためです。そのため,可能な限り,拡大表示しなくても判読できる大きさの画像で掲載すべきだと思います。もちろん,特にWebの場合は,閲覧者の環境によって画像がかなり小さく表示されてしまうこともあります(例:スマホから閲覧する場合など)ので,可能な限りということになります。

条件③:撮影しやすいこと

最後に,そのスクリーンショットを行いやすいことも重要なポイントになるということを説明したいと思います。スクリーンショットを行いやすいことは,スクリーンショット自体の質はもちろん,それを行う目的である操作手順書の質向上にも関わってきます。

撮影しやすいスクリーンショットとはどのようなスクリーンショットでしょうか。たとえば,「スクリーンショットの範囲を撮影ごとに指定する必要がない」ということが挙げられます。

私はスクリーンショットに「ScreenPresso」というアプリケーションを使用しています。このアプリには,撮影範囲を自分で選択して撮影する方法と,前回と同様の範囲で撮影するの主に2種類の撮影方法があります。前者の方法のように,スクリーンショットごとに撮影範囲を指定できた方が便利そうですが,その都度の指定では,かなり時間がかかってしまいます。ですので,可能な限り後者の方法で撮影できた方が時間短縮に繋がります。また後者の方法では,画像のサイズも統一できるため,この点でもメリットがあります。

個々のスクリーンショットにかかる時間は,可能な限り短い方が望ましいことになります。PCの操作マニュアルの作成には,何十枚ものスクリーンショットが必要です。加えて,操作マニュアルに修正の必要性が生じた場合には,再撮影も必要になるでしょう。PC操作マニュアルの作成においては,かなり大量のスクリーンショットを行う必要があるということです。なので,一枚一枚のスクリーンショットに時間をかけていては,いつまでたっても操作マニュアルが完成しません。さらに,スクリーンショット以外の部分にかける時間が少なくなってしまうため,結果的に操作マニュアルを作成自体の質も低くなってしまうかもしれません。

上記のような理由もあり,スクリーンショットの撮影のしやすさは,スクリーンショットの質の良し悪し(ひいては手順書の質の良し悪し)にも関係してくる重要な要素であると言えるでしょう。

まとめ

今回は「よいスクリーンショットの条件」について紹介しました。下記の3点をその条件として紹介しました。どなたかの参考になれば嬉しいです。

  1. 必要な情報がすべて載っていること
  2. 文字や画像が判別できること
  3. 撮影しやすいこと

参考リンク

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