発注係数(倉出し係数)の算出法と使い方

みなさん,こんにちは。
シンノユウキ(shinno1993)です。

献立作成や給食管理の際に,食材の発注量を計算する必要があります。その際には,発注係数(倉出し係数)を使用すると便利です。場合によっては,発注量換算係数と呼ばれるものです。

しかし,栄養士・管理栄養士を目指す学生の皆様や,着任したばかりの新人の方には,これの算出方法や使用方法がわからないこともあるでしょう。

そこで今回は,発注係数(倉出し係数)の算出方法と使い方について紹介したいと思います。ではいきましょう!

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発注係数(倉出し係数)とは?

発注係数(倉出し係数)は,食材の発注の際に使用される係数のことです。これを使用することで,実際に調理に使用する量から,発注する量を簡単に算出できるようになります。

多くの食材は,調理の際に,食べられない部分を廃棄しますよね。たとえば,ほうれん草の根っこの部分は,食べずに捨ててしまいます。卵だって,殻の部分は食べませんよね。

でも,献立に記載される食材の重量は,実際に食べられる部分だけの重量(可食部重量といいます)であることが多いです。ほうれん草であれば,食べられない部分を除いた,食べられる部分だけの重量で献立は作成されます。

しかし,実際に食材を注文して納品される際には,食べられない部分も含めた重量で届けられます。なので,その分を多めに注文しておかないと,調理に時に足りなくなってしまいます。この多めに発注する際に利用されるのが,発注係数(倉出し係数)なのです。

発注係数(倉出し係数)の算出方法

発注係数(倉出し係数)の算出方法は,施設によって異なる場合があります。もし施設独自の算出方法がある場合は,それに従ってください。下記では基本的な算出方法について説明します。

発注係数(倉出し係数)は,以下で算出できます。

発注係数(倉出し係数) = 100(%) ÷ 廃棄率(%)

廃棄率は,廃棄される部分(食べられない部分)が全体の食材料に含まれる割合です。たとえば,100gのうち50gが食べられないなら,50%が廃棄率となります。廃棄率については,発注量計算のための「廃棄率」と「可食部率」という記事でも解説していますので,ご覧ください。

計算の例を下記に示してみます。

例)廃棄率が50(%)の場合
  発注係数(倉出し係数) = 100(%) ÷ 50(%)
  発注係数(倉出し係数) = 2

廃棄率さえ把握できていれば,難しいことはありません。発注係数(倉出し係数)は,廃棄率の逆数です。廃棄率の分母と分子をひっくり返した値のことで,40%なら,1 ÷ 0.4 = 2.5 となります。

発注係数(倉出し係数)の使い方

上記で発注係数(倉出し係数)の算出方法の例を紹介しました。これを使うことで,実際に使用する量(純使用量ともいいます)から,発注する量を計算することができます。基本的な使用方法は下記の通りです。

発注量(g) = 純使用量(g) × 発注係数(倉出し係数)

それでは,純使用量が40g,発注係数が1.5の場合の例を紹介してみます。

例)純使用量が40g,発注係数が1.5の場合
  発注量(g)= 40(g) ÷ 1.5
  発注量(g)= 60(g)

発注係数を算出できれば,純使用量に乗じるだけで発注量を算出できるようになります。施設ごとに,この発注係数(倉出し係数)を算出しておくと,とても便利なことがわかると思います。

まとめ

今回は,発注係数(倉出し係数)の算出方法と使い方について紹介しました。難しそうな言葉に聞こえたかもしれませんが,特段難しいものではありません。

難しい点といえば,(途中でも紹介しましたが)廃棄率についてかもしれません。これについては,別記事で詳しく紹介していますので,参考にしてくださいね。

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