なぜ食べ物の「好き嫌い」はダメなのか|主に大人について

みなさん,こんにちは。
シンノユウキ(shinno1993)です。

今回は食べ物の「好き嫌い」について書いてみたいと思います。子どもだけじゃなく,大人にも関係する内容です。大人で好き嫌いがあることは恥ずかしいことであると自覚しつつも,私自身,かなり残念なレベルで好き嫌いがあるので,せっかくの機会と思い,考えて見ようと思います。

なぜ,好き嫌いがいけないのか。 これは食品に含まれる栄養素が様々で,好きなものばかりに偏って食べてしまうと,適切な量の栄養価が摂取できないからです。

人間は,進化の過程で特定の食べ物のみに頼ることをやめました。その食べ物を得られなくなるような環境の変化が起こった際に食べ物を得られなくなり,滅んでしまうからです。したがって,生きていくためには様々な種類の食べ物から,それぞれ栄養素を得る必要があります。

好き嫌いというのは,食育等のおける文脈では「偏食」という言葉で扱われます。偏食は,『食に関する指導の手引-第二次改訂版-』では以下のように記述されています:

特定の食品や食品群を嫌って食べない、または限られた食品ばかりを好んで食べる傾向にあることを偏食といいます。偏食の原因としては、味、匂い、見た目、食感、温度、調理方法、食器具、食経験の乏しさ、家庭での食習慣、特定の食品を食べて体調を崩いした負の経験など様々です。偏食の多くは、成長や味覚の発達に伴い改善していく傾向にあります。

引用)食に関する指導の手引-第二次改訂版-

偏食の状態は,成長のためにたくさんの栄養素が必要となる子どもの時期では特に望ましくありません。偏食によって成長に必要な栄養素が不足した場合,健康はもちろん,成長に影響がでる可能性があります。子どもの時期は特に好き嫌いが無いようにしたいものです。

とはいえ,もちろん,大人の好き嫌いも好ましくありません。 何を隠そう,私は果物が大嫌いです。さきほど,偏食の原因に「特定の食品を食べて体調を崩いした負の経験」とありましたが,まさしくそれが原因で,私は果物全般が駄目です。

その場合,食べられない食品で摂るべき栄養素を,他の食品から摂る必要があります。具体的に,果物が食べられない私について考えてみます。みかんを例にしてみます。みかん1個(食品コード07027)の可食部は75g程度です。含まれるビタミンCは24mg,カリウムは110mg,食物繊維は0.8gです。これを他で補おうとすると「ブロッコリー」でも良いかもしれません。茹でたブロッコリー(食品コード06264)50gを食べるとすると,ビタミンCは27mg,カリウムは90mg,食物繊維は1.9です。みかんと遜色ない栄養素が摂取できます。もちろん,主要な栄養素しか比べていませんし,味やそれに関連する食体験は代替できるものではありませんが, 栄養素的にはなんなく代替は可能なのです

しかし,このような考えができるのは,「好きなように食物を選ぶことができる」間だけです。 子どものころの給食を思い出してみます。給食の補助として出される果物は,私は食べることができませんでした。だれもその代わりとして,ブロッコリーなんて出してくれません。そこまで面倒は見てもらえず,私の摂れるはずだった栄養素(満腹感)は,その機会を失ってしまったのです。

「大人になった今は大丈夫!」なんて考えたくなりますが,残念ながらそれは難しかったりします。これからの人生は,給食を食べなければならない機会は多くあるからです。 たとえば,何らかの病気で入院した時。基本的な病院で出される健康的な食事を食べなければなりません。そこで,ただ嫌いというだけで食べられないというのは,なかなか通用しません。残すか,主治医の許可をとりつつ持ち込みなどをしなければならなくなります。

もっと年齢を重ねると,今度は介護施設になります。自分で食事を作ることができれば良いのですが,そうでない場合,給食を食べる必要が出てきます。ここでも病院での給食と同様,好き嫌いは受け入れられにくいかと思います(施設によっては柔軟に対応してくれたりしますが)。年齢を重ねると,ただでさえ食が細くなり,食べられる量が減ってきます。そんな時に好き嫌いうんぬんは言ってられません。

ここまでをまとめると,

まとめ
  • 自分で食べ物を用意できる間は嫌いなものも代替可能
  • ただし,給食(病院・介護施設など)を食べるようになると非常に苦労する

となります。

健康的な食事をとるためには,多種多様な食べ物を食べなければなりません。その中で,特定の食べ物が食べられないのは大きなハンディキャップになります。それは特に,一様の食事が提供されがちな給食では強調されてしまいます。月並みですが,好き嫌いを無くすための努力はかならず必要となるのです。

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