「ポジティブな経験」を「1日20分間」書くことでストレスや不安を軽減できるかも

みなさん,こんにちは。
シンノユウキ(shinno1993)です。

日常のストレスを低減するために,私がまず行う方法は「飲酒」です。しかし,これは健康をそこなうリスクがあるため,最高な方法とは言い難いかもしれません。

ストレスを軽減するために,1日20分「ポジティブな感情について書く」ことが有効だとする研究があります。今回は,それについて紹介します:

研究の結果をざっくりとまとめると以下のようになります:

  • 1日20分間,ポジティブな経験について書いた人は,そうでない人よりもストレスや不安のレベルが減少していた
  • この効果は書いた直後だけでなく,4週間後でも同様だった
やや詳しい具体的な方法

71人の参加者を2つのグループに分けました。グループは,人生におけるポジティブな経験について書くように言われたグループ,日常生活について書くように言われたグループの2つがありました。1日に20分間,それぞれのトピックについて書くように指示されました。アンケートとして,DS-14(タイプDの性格を測定するためのもの),CHIPS(身体状況調査),STAI(状態・特性不安調査),PSS(知覚ストレススケール)が行われました。

この研究では,ポジティブな感情について書いたグループと,感情とは関係ない日常生活について書いたグループとで,それがストレスや不安へどのように影響するのかについて調査されました。その結果,ポジティブな経験について書くことは,ストレスや不安を軽減することがわかりました。そしてそれは,執筆中や直後だけでなく,4週間後でも見られました。

いわゆるタイプDパーソナリティ(否定的な感情をいだきやすく(NA),社会的に抑制されている(SI))人では,上記の結果が得られませんでした。ただし,DS-14においてNAが低くSIが高かった人では,ポジティブな経験について書くことで不安が大きく減少してたことがわかりました。このことは,SIが高い人=社会的に抑制され感情表現の機会が限られている人では,その機会を与えられることで良い結果が得られた可能性があります。

この方法の良いところは,「ただ紙に書くだけで良い」というところです。特段のコストがかからず,またセラピストなどを必要としません。音楽を聞いて・本を読んで,絵を見て感動したのような軽めのトピックでも構いませんし,あるいは人生の節目となるような大きなイベント(恋愛など)でも構いません。それらについて,できるだけ詳細に感情を込めて書くだけです。お酒に頼りきる前にやりたいところですね。

注意
 
  • この研究では,二重盲検は行われませんでした。参加者は,自分がどのグループに属したのかがわかってしまっています。したがって,そのことが効果を強めてしまた可能性があります
  • この研究でのストレスや不安の測定等は,自己報告によって行われました。このことは結果を解釈する際に考慮すべきです
  • この研究では心理的な疾患を有している人は除外されています。したがって,この結果を心理的な疾患を有していない人以外へ適応する際は注意が必要です

 

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