【随時更新】 食事摂取基準(2020年版)の最新情報まとめ

食品・栄養情報
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「日本人の食事摂取基準(2020年版)」策定検討会報告書について

2019年12月24日に,確定版となる報告書が発表されました。
以下のリンクより閲覧できます。

「日本人の食事摂取基準(2020年版)」書籍版について

第一出版より,書籍も発売されます。現在発売中です

策定検討会のまとめ

回数開催日議題等議事録/
議事要旨
資料等開催案内
第1回2018年4月20日(1)食事摂取基準(2020年版)の策定の方向性について
(2)その他
議事録資料開催案内
第2回2018年5月31日(1)食事摂取基準(2020年版)の策定方針について
(2)その他
議事録資料開催案内
第3回2018年11月9日(1)ワーキンググループからの報告事項(策定方針及び策定の基本的事項等)
(2)その他
議事録資料開催案内
第4回2018年12月21日(1)報告書の総論(案)
(2)ワーキンググループからの報告事項(各論)
(3)その他
議事録資料開催案内
第5回2019年2月22日(1)活用に関する基本的事項(案)
(2)「日本人の食事摂取基準(2020年版)」策定検討会報告書(案)
(3)その他
議事録資料開催案内
第6回2019年3月22日(1)報告書(案)の取りまとめについて
(2)その他
議事録資料開催案内

転載:http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-kenkou.html?tid=539644

策定スケジュール

  • 2018年度
    • 策定方針の決定
      • 第1回検討会(2018年4月20日)
      • 第2回検討会(2018年5月31日)
    • 報告書の方向性について
      • 第3回検討会(2018年11月9日)
    • 報告書について
      • 第4回検討会(2018年12月21日)
      • 第5回検討会(2019年2月22日)
    • 報告書とりまとめ
      • 第6回検討会(2019年3月22日)
  • 2019年度
    • 厚生労働省告示
  • 2020年度~2024年度
    • 使用開始

改変引用)https://www.mhlw.go.jp/content/10901000/000462762.pdf

食事摂取基準(2020年版)というくらいなので、実際に使用を開始するのは2020年度からです。ただ、告示されてすぐに使用、というのは、現場の負担が大きすぎますので、使用開始1年前の2019年度に告示するという流れになります。

参考:http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10901000-Kenkoukyoku-Soumuka/0000204280.pdf

今回の改定のポイント

2020年版については,栄養に関連した身体・代謝機能の低下の回避の観点から,健康の保持・増進,生活習慣病の発症予防及び重症化予防に加え,高齢者の低栄養予防やフレイル予防も視野に入れて策定を行うこととした。

引用)厚生労働省:日本人の食事摂取基準(2020 年版)(2019)

ポイントとしては,今まで根拠の蓄積が少なかった高齢者についての基準が充実するという点です.高齢者の低栄養・フレイルの予防などがキーワードです.

また,策定方針にも,以下3点について検討するように案が出されています:

  • 高齢社会の更なる進展(2025 年問題とその先の社会)への対応
  • EBPMの推進への対応
  • 健康・栄養に関する国際的取組への対応

このうち,最初の項目については,具体的に以下のような内容のことが書かれていました.若干噛み砕いて説明すると,

  • 高齢者の低栄養およびフレイル予防のための目標量(目指す摂取量)を設定しよう
  • 個人差に対応するため,体重別の基準量などを設けよう
  • 高齢者の年齢区分をわかっている範囲で細かくしよう
  • 栄養素の説明について高齢者向けの内容を充実させよう

といった内容になります.これを見てもわかるように,今回の改定のポイントは,高齢者向けの内容の充実になろうかと思います。

その他細かい点

対象とする個人及び集団の範囲

対象とする集団の範囲が拡張されます。具体的には:

食事摂取基準の対象は,健康な個人及び健康な者を中心として構成されている集団とし,生活習慣病等に関する危険因子を有していたり,また,高齢者においてはフレイルに関する危険因子を有していたりしても,おおむね自立した日常生活を営んでいる者及びこのような者を中心として構成されている集団は含むものとする

引用)厚生労働省:日本人の食事摂取基準(2020 年版)(2019)
強調は筆者による

となりました。今までは,特に高齢者(特にフレイルを有した)について言及されていなかったため,それが追加された形となりました(強調部)

生活習慣病を定義

これまでは,食事摂取基準の報告書内に,生活習慣病の定義についての文言がありませんでした.今度の報告書では以下の文言が追加されました:

なお,食事摂取基準で扱う生活習慣病は,高血圧,脂質異常症,糖尿病及び慢性腎臓病(chronickidneydisease:CKD)を基本とするが,我が国において大きな健康課題であり,栄養素との関連が明らかであるとともに栄養疫学的に十分な科学的根拠が存在する場合には,その他の疾患も適宜含める。

引用)厚生労働省:日本人の食事摂取基準(2020 年版)(2019)

食事摂取基準では,生活習慣病に関するリスクを持っている者でも,おおむね自立した日常生活を営んでいるものであれば対象となります.そのため,たとえば高血圧やCKDに関するリスクを持っている者でも上記の条件を満たしていれば対象となる,という事がある意味明確に示されたということになります.

年齢区分の見直し

高齢者の年齢区分が大きく見直されます.今までは,高齢者は以下の2区分でした:

  • 50~69(歳)
  • 70以上(歳)

それがこれからは以下の3区分に見直されます:

  • 50~64(歳)(※高齢者とはしない)
  • 65~74(歳)
  • 75 以上(歳)

これについては,構成員の佐々木敏氏から

行政的な年齢の区分とできるだけ整合性を合わせる,それから高齢者の人口を十分に加味し,使いやすいものにする

引用)第3回「日本人の食事摂取基準(2020年版)」策定検討会 議事録

との発言もありました.年齢区分を細かくできるだけの研究は不足しているかもしれませんが,このような理由があるようです.

目標量に関してのエビデンスレベルの付与

今回は目標量の算定に関してのみ,各疾患治療ガイドラインで用いられているようなエビデンスレベルが付与される方針となりました。具体的には,以下のようになります:

エビデンス
スレベル
数値の設定に用いられた
研究論文等の種類と数
このエビデンス
レベルで目標量
が定められた
栄養素
D1介入研究又はコホート研究のメタ・アナリシス、
並びにその他の介入研究又はコホート研究に基づく。
たんぱく質、飽和脂肪酸、
食物繊維、ナトリウム(食塩相当量)、
カリウム
D2複数の介入研究又はコホート研究に基づく。
D3日本人の摂取量等分布に関する観察研究
(記述疫学研究)に基づく。
脂質
D4他の国・団体の食事摂取基準又は
それに類似する基準に基づく。
D5その他炭水化物

引用)厚生労働省:日本人の食事摂取基準(2020 年版)(2019)

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