栄養士なら必須② 栄養価計算のための重量変化率と成分変化率について

栄養価計算Tips
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みなさん,こんにちは.
シンノユウキ(shinno1993)です.

前回の記事では,発注量計算に利用する廃棄率と可食部率について紹介しました。

それに引き続き,今回は重量変化率成分変化率について紹介します。先の二つを紹介したら,やはりこちらも紹介しなければですものね。

ではいきましょう!

重量変化率

重量変化率とは?

食品は調理操作によって,その重量を変化させます。それを示したのが重量変化率です。調理前の重量に対する調理後の重量の占める割合で示すことができ,計算式では以下になります:

重量変化率 = 調理後の重量(g) ÷ 調理前の重量(g)

一般に,食品を焼いた場合は水分が飛んで重量は少なくなります。つまり,重量変化率は100%を下回ります。反対に,茹でた場合は,葉物野菜などの水分を絞る食品を除き,水分を吸着して重くなるので,重量変化率は100%を上回ります。

重量変化率は,食品標準成分表にも掲載されており,こちらからその一覧を確認できます。

重量変化率を活用する際は,調理条件に注意する必要があります。食品によって,茹でる際の水分量や,炒める際の油の量などが異なるからです。また,ニンジンのグラッセのように通常使われる調味料(バター,砂糖,食塩)が添加されている場合があります。調理方法の概要はこちらから確認できますので,食品標準成分表の値を用いる際は留意してください。

重量変化率の使い方

重量変化率は,調理前の食品の重量から,調理後の食品の重量を算出する際に用います。料理後の重量を算出する計算式は以下になります:

調理後の重量(g) = 調理前の重量(g) × 重量変化率

具体的に,乾燥スパゲティ80gを参考に,調理前の重量から調理後の重量を算出してみます。食品標準成分表をみると,「マカロニ・スパゲティ ゆで」の重量変化率は220%となっています。これらを使用すると,以下になります:

例)スパゲティ ゆで,調理前重量80g,重量変化率220%の場合
調理後の重量(g) = 80(g) × 2.2
調理後の重量(g) = 176(g)

このように,調理前の食品の重量から,調理後の食品の重量を算出する際に,重量変化率は用いられます。これは,調理後の成分値を使用する方が正確に計算でき,そのために調理後の食品の重量が必要になるためです。

成分変化率

成分変化率とは?

成分変化率は,調理によって成分がどの程度変化したかを表したもので,調理前の成分値に対する調理後の成分値の占める割合で示されます。成分変化率を算出する計算式は以下になります:

成分変化率 = 調理後の成分値 ÷ 調理前の成分値

また,食品成分表の100gあたりの成分値を使う場合,重量変化率を使用して,以下のようにもできます:

成分変化率 = 調理後の成分値 × 重量変化率 ÷ 調理前の成分値 
※成分値は100(g)あたり

同じ重量あたりの成分値の場合,調理後の成分値に重量変化率を乗じることで,調理後の成分値を調理後の重量当たりの成分値に変換できます。なので,上記のように計算式を変換することが可能なのです。

成分変化率の算出方法

では具体的に,ほうれんそうを茹でた場合のビタミンCを例として,成分変化率を算出してみましょう:

例)「ほうれん草 生」を茹でた場合の成分変化率
・調理前(生)のビタミンC:35(mg)/100(g)あたり
・調理後(茹でた後)のビタミンC:19(mg)/100(g)あたり
・重量変化率:70(%)

それぞれを上記の式に当てはめると,

成分変化率 = 調理後の成分値 × 重量変化率 ÷ 調理前の成分値 
成分変化率 = 19 × 0.7 ÷ 35
成分変化率 = 0.38

ほうれんそうのビタミンCは,茹でることにより38%程度にまで減ってしまうことがわかります。食品標準成分表では,ほうれんそうを「ゆで→湯切り→水冷→手搾り」といった手順で調理します。水溶性ビタミンであるビタミンCは,ゆで汁に逃げてしまい,あまり残存しないことがわかります。

成分変化率を実務的な場面で使用することは少ないかと思います。しかし,この考え方を知っていることは重要ですので,しっかりと理解しておきましょう。

まとめ

今回は重量変化率と成分変化率について紹介しました。これらについての知識は,食品から栄養素摂取量を算出する際に必要となります。しっかりと理解しておきましょう。

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