【管理栄養士が選ぶ】栄養疫学のオススメ本10選【一般教養~大学院レベルまで】

書評

みなさん,こんにちは.
シンノユウキ(y_stadio)です.

3回に分けて,

  • 疫学
  • 統計学
  • 栄養疫学

のオススメ書籍を紹介している連載の第3回.最終回である今回は「栄養疫学」に関するオススメ書籍を紹介します.

前回は統計学のオススメ書籍について紹介しました:

【管理栄養士が選ぶ】統計学のオススメ本10選【一般教養~大学院レベルまで】
疫学,統計学,栄養疫学のオススメ本を紹介する連載.二回目のの今回は統計学についてのオススメ本を紹介します.

栄養疫学は,管理栄養士としては専門と呼べる分野の一つでもあります.ですので,こちらに関しては前回の2回とは違って,ある程度は専門家としての自覚を持って書きたいと思います.

では行きましょう!

一般教養としての栄養疫学

ここで紹介するのは一般教養レベルの書籍です.決して内容がそれ以上のレベルのものと比べて劣っているというわけではなく,対象とする読者の違いとして見ていただければと思います.

佐々木敏の栄養データはこう読む!

東京大学大学院の佐々木敏先生が,月刊誌『栄養と料理』にて連載されていた記事から厳選し一冊にしたものです.脂質に食塩に肥満にお酒,地中海食など食事や栄養に興味を持つ方は気になる話題ばかりだと思います.平易ながら,著者の人柄まで伝わってくる優しい文章で,栄養情報について解説しています.その解説を読むことで,栄養データの読み解き方を学ぶことができるのも特徴です.

ただし,栄養学の専門家でない方には,本書を「難しい」と感じる方がいるかもしれません.実は,栄養学の専門家でない知人に本書を読んでもらったところ,「難しくてわからなかった」との感想を頂いたことがあります.具体的な箇所を聞いてみると,たとえば,本書の最初の方に出てくるキースの式.コレステロールや飽和脂肪酸の摂取が血清総コレステロールに影響することを示すために提示された式ですが,その見た目に拒否感を覚えたようです.

しかし,これは著者が根拠をしっかりと明示しながら,専門家でもその根拠を追えるようにしたからこそ,だと思います.

このことは,逆にいうと,本書は専門家でも十分に満足できる内容になっているとも言えるでしょう.読者層の観点から,一般教養レベルにカテゴライズしましたが,これは専門家が読む本ではないという意味ではなく,むしろ専門家であれば必読の書と行って良いでしょう.

佐々木敏のデータ栄養学のすすめ

前述の『佐々木敏の栄養データはこう読む!』の姉妹書に該当する書籍です.前述の書籍が生活習慣病全般に対するものであったのに対して,こちらはより幅広い内容を網羅しています.そのため,より身近な問題として,本書を捉えることができるかもしれません.本書の紹介に費やす文章は,前著と重複する内容も多くなろうかと思いますので,その多くは省略します.が,こちらも専門職の方であってもぜひ読んで欲しい書籍です.

学部・卒論レベルの栄養疫学入門

次は学部レベルの統計学入門です.栄養学を専攻する学生が学部レベルで扱う範囲と考えていただいて差し支えありません.

わかりやすいEBNと栄養疫学

またまた東京大学大学院の佐々木敏先生の書かれた書籍です.今回の記事内には,佐々木先生の名は多く登場しますね.日本における栄養疫学の第一人者とも言える方なので当然そうなります.本書は栄養疫学はもちろん,疫学や統計学についても相応のページを割いています.研究デザインの立て方から,生活習慣病のエビデンスについてまで,非常に詳しい内容が掲載されています.日本で栄養疫学を勉強していると言って,本書を読んでいないという人はおそらくいないでしょう.学部生の方であれば,まず手にとってみて’ください.

日本人の食事摂取基準(2015年版)

栄養疫学

残念ながら絶版なので,学生の方は図書館などで読んでください.栄養疫学のメッカであるハーバード大学公衆衛生大学院に留学し,栄養疫学の第一人者である Wallter C. Willett先生から指導を受け,共同研究も行った坪野吉孝先生が主に執筆された書籍です.そのためか,FFQ:食物摂取頻度調査法についての記述が多いことがわかります(疫学研究用にFFQを開発したのはハーバード大が最初だからです).日本語の書籍では,もっとも詳しく書かれた書籍ではないかと思います.開発から活用まで,しっかりと網羅されています.余談にはなりますが,本書の58-59ページに掲載されている表の名残は,多くの文献で散見されるものです.この書籍が与えた影響の大きさをおもんぱかることができます.

EBN入門

こちらも絶版です.でも,図書館にはあるはずですので,探してください.私も最初に読んだのは図書館です.こちらも,佐々木先生,また前出の坪野先生が著者の一人になっている書籍です.EBNという言葉が使われだした書籍だと思います.栄養学におけるエビデンスの作成や利用など,深く解説しています.私がこの書籍を読んだのは『わかりやすいEBNと栄養疫学』を読んだ後でしたが,それでも多くの学ぶべきことがありました.少し古い本ですが,ぜひ図書館ででも読んでみてください.

やや実務的な栄養疫学入門

栄養疫学は少し熱のはいる分野ですので,こちらの分野だけ「実務的な」とつくものが含まれます.

食事調査マニュアル

食事摂取基準入門

大学院レベルの栄養疫学

今度は大学院レベルです.当然ですが,内容的により高度なものとなります.

Nutritional Epidemiology

言わずとしれた名著です.先にも出てきた Wallter C. Willett 先生がその多くを執筆されている書籍です.この書籍の内容をしっかりと理解できれば,他の書籍から学ぶところはそれほど多くないかもしれません.それほど内容が網羅されています.この書籍の旧版は,[第2版]食事調査の全て として日本語に翻訳されています(すでに絶版).最新版は日本語には訳されていないため,原著で読む必要があります.私は英語が苦手なので,Kindle版を購入し,辞書の助けを借りながら読み進めました.当然ながら,少々値は張りますが,それだけの価値はあります.今回紹介している書籍の中で,最もオススメする書籍です.

食事評価法マニュアル

番外編:これから出る予定のオススメ本

たまたま見かけた書籍.

「24時間食事思い出し法」マニュアル
栄養管理に使える画期的な食事調査法
田中 平三編著/田中 弘之著/高橋 東生著
出版社名:同文書院
発行年月日:2019-07
ISBN:978-4-8103-1491-5
価格:3,200円(本体)
判型:B5判
頁数:192頁
なかなか胸熱な書籍です.すぐ買う予定です.

まとめ

疫学,統計学,栄養疫学のオススメ書籍を紹介する連載.最終回である今回は栄養疫学についてでした.こちらは特に力がはいる分野であるため,紹介する書籍に絶版のものも多くなってしまいました.参考になるものがあれば,図書館などでも探してみてください.

連載目次

  1. 【管理栄養士が選ぶ】疫学のオススメ本8選【一般教養~大学院レベルまで】
  2. 【管理栄養士が選ぶ】統計学のオススメ本10選【一般教養~大学院レベルまで】
  3. 【管理栄養士が選ぶ】栄養疫学のオススメ本10選【一般教養~大学院レベルまで】現在のページ
タイトルとURLをコピーしました