栄養士のためのPower Query超入門【インポート・変換・書き出し】

みなさん,こんにちは。
シンノユウキ(shinno1993)です。

食品標準成分表をPower Queryで整形する方法について,連載形式で紹介しています。

前回の記事はこちら

Power Queryの基礎知識について紹介しました。

いよいよ今回から,実際にPower Queryを使います。サンプルデータのインポート→変換→書き出しまでを行うPower Query超入門をお届けします。

では行きましょう!

本記事は連載:「食品標準成分表をPower Queryで整形する方法」の一部です。前回までに行った作業を前提にしますので,連載の初回(食品標準成分表をPower Queryで整形する方法)からご覧いただくことをオススメします。

スポンサーリンク

Power Queryでインポート・変換・書き出しを行う

下記で,サンプルデータのインポート→変換→書き出しまでの手順について紹介します。

ステップ①:サンプルファイルをダウンロードする

まず,今回使用するサンプルファイルをダウンロードしてください:

食品標準成分表2020年版(八訂)の「穀類」のデータについて,一部の食品と一部の栄養素のデータが格納されています。

いきなりフルサイズのデータを扱うのはしんどいので,まずは小さなデータから試していきましょう。

とはいえ,このデータでもいくつかの問題があります:

  1. 食品群番号が「文字列型」で入力されています。
  2. 食品番号が「文字列型」で入力されています。
  3. 一部の数値について,最小の表示桁数を表現するため「文字列型」で入力されています。

上記のような問題を解消し,計算に使用可能なデータとして整形します。

ステップ②:サンプルファイルをインポートする

ではさっそく,ダウンロードしたサンプルファイルをインポートしていきましょう。

まず,空のExcelファイルを開いてください。

そして,①メニューの「データ」→②「データの取得」→③「ファイルから」→④「ブックから」を選択します:

インポートするファイルを開くためのダイアログが開きます。

①「サンプルファイル.xlsx」を選択→②「インポート」をクリックします:

下記のようなナビゲーターが開きます。

①「穀類」シートを選択→②「データの変換」をクリックします:

すると,下記のような画面が開きます。この画面がPower Queryエディターです:

ステップ③:データの変換を確認する

今回の場合,実は上記まででデータの変換まで終了しています。この状態で書き出すと,文字列型で入力されていたデータは,数字型に自動で変換されています。

これにて終了!…としてもい良いのですが,今回のように自動でいい感じに修正してくれるケースばかりではありません。手動でも同じようなことができるように,下記で変換のプロセスについて見ていくこととします。

変換のプロセスは,右側の「適用したステップ」に記載されています。

まず,右側の「適用したステップ」の一番上「ソース」をクリックします。下記の画面が開きます:

ソースを押した画面

読み込んだデータソースについての情報が記載されています。

複数のシートがある場合などは,この画面で読み込むシートを選択します。

では次は「ナビゲーション」のステップに移りましょう。下記のようにデータ展開された画面が表示されます:

この段階では,まだデータの整形は行われていません(赤枠の部分)。食品群や食品番号は文字列型のままですし,たんぱく質や脂質にも文字列型のデータが入力されたままです。

次は「昇格されたヘッダー数」を選択しましょう。下記のように「食品群」や「食品番号」などの行がデータのヘッダー行に昇格されました:

わざわざ強調する必要もありませんが,「食品群」や「食品番号」はそれぞれの列が何であるのかを示す「見出し」です。直接計算に使用するデータではありませんので,このようにヘッダーとして認識させてあげる必要があるのです。

最後に「変換された型」を選択します:

データを見ればわかるように,「食品群」や「食品番号」が「整数」のデータ型に変換されています。また「たんぱく質」や「脂質」についても小数点以下の表示が可能な「10進数」のデータ型に変換されています。

こういったデータ型の変換により,文字列型で入力されていたデータを計算可能な形式に整形することができました。

もちろん,すべてのケースで今回のように自動で処理できるわけではありません。手動での型変換や値の置換が必要になる場合もありますので,頭の片隅に置いておいてください。

ステップ④:データを書き出す

ステップ①~③でデータの整形まで終了しました。

最後にExcelのテーブルとして書き出してみましょう。

メニューの①「ホーム」→②「閉じて読み込む」を選択してください:

すると,下記のようにExcelファイルにデータが書き出されました。

これで,完全版ではありませんが,Power Queryを使用して食品標準成分表を整形することができました!

まとめ

今回は,食品標準成分表を簡素化したサンプルデータを使用して,サンプルデータのインポート→変換→書き出しまでを行うPower Query超入門をお届けしました。

ほとんど自動で処理が行われましたが,まったく問題なく整形することができました。Power Queryの便利さの一端でも感じることができましたでしょうか。

次回は,サンプルデータでなく,実際の食品標準成分表のデータを使用してデータを整形していきたいと思います:

連載目次

  1. 食品標準成分表をPower Queryで整形する方法【栄養士向け】
  2. 栄養士のためのPower Query基礎知識【できること・メリット】
  3. 栄養士のためのPower Query超入門【インポート・変換・書き出し】現在のページ
  4. Power Queryで複数のシートを縦に結合する方法
  5. Power Queryで不要な行・列を削除する方法【データクリーニング】
  6. Power Queryで値を置換する方法【完全一致と部分一致】
  7. Power Queryで食品標準成分表の別表のデータを整形する方法
  8. Power Queryで特定シートのみに含まれるレコードを抽出する方法
  9. Power Queryで複数のシートを横に結合する方法【クエリのマージ】
  10. Power Queryでファイルパスを相対パスで指定する方法
タイトルとURLをコピーしました